岡山大学ユネスコチェア:持続可能な開発のための研究と教育

ユネスコが1992年に開始したユニツイン(UNITWIN:University Twinning)/ユネスコチェア(UNESCO Chairs)とは、知の交流と共有を通じて、高等教育機関および研究機関の能力向上を目的とするプログラムです。高等教育機関の国際的な連携・協働を促進することにより、人的・物的資源のシンクタンクとして、また教育・研究機関、地域コミュニティ、政策立案者間の橋渡し的存在としての役割を担うことを目指しています。2019年4月時点で、世界116ヵ国の高等教育機関に756のユネスコチェアと45のUNITWINネットワークが設置されています。

本学ユネスコチェアは、ESD推進を目的とするアジアで唯一のユネスコチェアとして、2007年に設置認可を受けました。大学院環境生命科学研究科と大学院教育学研究科が中心となって、ESDを基盤とした高度専門人材の育成や教育・実践活動支援を行うとともに、HESDフォーラム(国内高等教育機関のESDネットワーク)、ProSPER.Net(国連大学のアジア・太平洋大学院ESDネットワーク)、ASPUnivNet(ユネスコスクール支援大学間ネットワーク)などに参画し、国内外の高等教育機関とのESD連携を進めています。

岡山市域は、「国連ESDの10年」(2005年~2014年)が始まった2005年6月、国連大学から「ESDに関する地域拠点RCE(Regional Centres of Expertise on ESD)」として、世界最初の7カ所の1つに認定されました。本学はユネスコチェア設置認可後、岡山市とESD推進に関する協定を締結し、RCE岡山の関係機関である行政、学校、NGO、NPOなどと連携したESD活動を進めてきました。岡山市はESDに関する先進的な取組が評価され、2014年秋の「ESDに関するユネスコ世界会議」では愛知県名古屋市とともに開催都市となり、5つの国際会議に世界97の国・地域から約3千人が参加しました。また、本学などでつくる「岡山ESDプロジェクト」は、2016年9月にユネスコ/ESD賞を受賞。岡山市は2017年1月にユネスコ学習都市賞2017を受賞しました。さらに、本学槇野学長のリーダーシップのもと、全学でSDGsの達成に貢献する活動が推進され、2017年12月には本学と国連大学サステイナビリティ高等研究所(UNU-IAS)とRCE岡山がSDGsをテーマにしたRCE第1回世界会議を岡山市で開催。これまでの岡山市域でのESD活動をはじめ、全学でのSDGsの達成のための取り組みが評価され、同年12月26日に、日本政府から第1回「ジャパンSDGsアワード」の特別賞「SDGsパートナーシップ賞」を受賞しました。

岡山大学は2019年5月24日、ユネスコから「岡山大学ユネスコチェア:持続可能な開発のための研究と教育」の設置認可の更新を受けました。認可期間は2023年4月までの4年間。取組責任者であるチェアホルダーは、2007年の設置当初より大学院環境生命科学研究科の阿部宏史教授が務めていましたが、2019年度末をもって定年退職を迎えるにあたり、第2代チェアホルダーに私、横井篤文が任命されました。

「国連ESDの10年」が2014年に終了し、その後継プログラムである「ESDに関するグローバル・アクション・プログラム(GAP)」も2019年に終了し、その後継となる枠組み(ポストGAP)として「Education for Sustainable Development: Towards achieving the SDGs (ESD for 2030)」が2019年12月に第74回国連総会で採択されました。今後は、政府や岡山市の「ESD for 2030」を踏まえた新たなESD推進策検討の動きを考慮し、ESDの深化発展を基盤に、国連の持続可能な開発目標(SDGs)の達成を促進する教育・研究・社会貢献活動を展開していきます。さらに2021年から始まる国連の「持続可能な開発のための海洋科学の10年(2021-2030)」に貢献するための海洋学分野における研究・教育活動を推進していくなど、多様な領域についても展開していく予定です。

チェアホルダー
副学長(特命(海外戦略)担当)

横井篤文

岡山大学ユネスコチェア